【出産体験談②】陣痛、苦しい。激痛の果てに赤ちゃん誕生
5回目の促進剤を飲み、また痛みに耐える時間が続きます。
それまで仰向けで痛みに耐えていましたが、このときくらいから横向きになった気がします。
体勢を変えるだけで激痛が走るようになったのも、たしかこのときだったような。
しかし、横向きになったことで夫に腰を押してもらえる。痛みを紛らわせることに成功。
15:00 促進剤を服用(6回目)
やっと、やっと最後の促進剤を飲み干しました。
「最大6回」って言っていたけど、本当に6回飲むことになるなんて・・・。
陣痛は1〜2分間隔まで早まってきて、休む間もなくやってくるようになりました。
もう痛みは最高潮です。
ビニール袋がお友達。
痛みがやってくるたびに、ビニール袋に嘔吐。そんな状態でリキまないようにゆっくり呼吸を意識するなんて、難しすぎるよー。
夫もずっと腰を押してくれますが、押されるたびにリキんでしまい、羊水が流れ出てしまっていたので、
さすって
作戦変更してみました。
しかし、わずか4文字喋るだけにも、声を振り絞らなくては声にならず。
腰をさすってもらうようにしたらリキみが少しは和らぎ、羊水も出にくくなりました。
顔は汗だくなのに、身体(とくに手足)は極寒にいるかのような寒気がします。
掛けてもらった布団から手を出すと震えるくらいに寒い。手は力が入らない、感覚もなくなってきました。
モニターから赤ちゃんの元気な心拍が聞こえてくるのが、このとき唯一の救いだったような。
16:00 内診で奇跡が起こる
最後の促進剤を処方してから、1時間くらい経った頃。
「もう一度内診してみましょう」ということで、子宮口を測ってみることに。
それまで横向きになっていた姿勢を仰向けに戻すときに、今まで一番強烈な痛みがやってきました。それと同時に大量の羊水がパシャーッと流れ出ました。
あぁ、もうこの調子で羊水が出ちゃったらダメだ
これからの長時間の陣痛に耐える気力も、羊水も、私にあるのだろうか。
吐きすぎてノドも焼けてきました…。
しかし陣痛は何度も何度も休まず襲ってきます。
これはもう私がやばい。どうしよう。このままずっとこの状態だったら、本当にどうにかなってしまう。
そのときでした。
医師「あら、全開じゃない!!!」
もう意識がもうろうとしているなか、内診が行われていて、「全開」の言葉が私の耳に入ってきました。
ぜんかい?
医師「もう、産まれるわよ」
産まれる?
頭がまったく追いつきません。
もう、リキんでいいんですか
子宮口がどうのより、もうリキんでいいのかどうかを真っ先に確認したような気がします。
内診中は夫は部屋に戻っていたので、慌てて助産師さんが呼びに行くことに。急に分娩室がザワザワと、出産に向けて準備をはじめました。
医師「旦那さん、部屋でお茶していたので、呼んできました」
(お茶って!)
もうじき産めるとわかり、余裕が出て来たのか、心の中でツッコミを入れたのを覚えています。
すっかり夫も明日の出産を想定して、「今のうちに休んでおこう」と考えていたらしい。
周りの準備が整うまで、ひたすら陣痛に耐えます。
でも不思議なもので、もうじき産まれるとゴールがわかってからの陣痛は痛みが弱くなったんですよね。
「いつまで続くんだろう」と先が見えない陣痛は、不安からも痛みを増幅させていたのかもしれません。
医師「次の陣痛が来たら、力一杯、リキんで」
これまでリキんじゃダメだ、リキんじゃダメだと言われていた私にとって、これまでとないセリフです。
いきむ前に、入院前に教えてもらったポイントを思い出しておきました。
- 目を開ける
- おへそをみる
- お尻の方に力を入れる
- グリップをしっかり握る
復習も終えたところで、陣痛の波がやってきました。
陣痛、来ます
医師「はい、鼻から吸ってー、はい、いきんでー。
はい、もう一度。」
リキむのを我慢するよりも、いきむ方がこんなにラクだなんて。
1回の陣痛で3回いきめることがわかり(これで1クール)、繰り返していくことでだんだん要領がつかめてきました。
医師「もう頭見えていますよー」
いきむ時はわりかし冷静に、まわりの状況も見えていました。
いきむ時に夫が私の上体を起こして支えてくれ、もう自分で上体を起こすのも辛かったので本当に助かりました。
6クールほどいきんだところで、ドウルンと大きなものが出てきたと同時に、
おぎゃあああああああという泣き声が聞こえ、白い膜に覆われていたかのような赤ちゃんが目に入りました。
この瞬間、
「産まれた。無事に産まれた。」
もうこれしか考えられなかったです。
そして、1、2分したところで感情が追いついてきたのか、涙が自然に出てきました。
よかった、よかった、産まれた
独り言のようにつぶやいていました。
夫はどうしているかなと後ろに目を向けると、嬉しそうに写真を撮っていました。いつも通りの夫です。
そして、赤ちゃんの処置をしたあと、助産師さんが私の胸に赤ちゃんを連れてきてくれました。
このときにずしりと重みを感じ、「あぁ、赤ちゃんって重いなぁ」って。これからの親としての責任というか、そんなものも一緒に感じた気分でした。
体重は、3174g。
(前日のエコー検診で測ってもらった体重とほとんど同じ)
わが家に、元気な男の子が誕生しました。