350万円で自分の家をつくる。セルフビルドとは思えない美しさ
素敵な家に住みたい。
そう考えたとき、自分で家を建てる選択肢を頭に描く人はあまりいないでしょう。しかし、この書籍を読めば考えが変わるかもしれません。
書籍「350万円で自分の家をつくる」をご紹介します。
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セルフビルドで自宅を建てた人の本
セルフビルドという言葉が、ここ最近、あちこちで聞かれます。
「セルフビルド=自分で家を建てる」の意味です。
この本は著者の「畠中サトル」さんが、ご自宅をセルフビルドしたときにおこなったアレコレを、次に作りたい人に向けて役立つようまとめた本です。
家はローンで誰かから買うのが普通?
マイホームが欲しいとなったら、住宅ローンを組んで、住宅会社などへウン千万円を払って購入する。一般的に多くの人はそう考えています。
しかし、著者の「畠中サトル」さんは、ご自身の家を自分で建てようと決め、セルフビルドを実践しました。
しかも費用は350万円。
工期は、たったの6ヶ月。
- 住宅を建てる費用はどこにかかるものなのか
- 自分らしい暮らしはいくらあれば実現できるのか
書籍の冒頭を読むと、著者が、冷静に「家を買うこと」に考えを巡らせている様子がうかがえます。
350万円と、6ヶ月の数字は、ただただ安く済ませたいという意味の価格ではないのです。
350万円がどこ吹く風の素敵なくらし
書籍の表紙にもなっているご自宅は、見ていてうらやましくなるほど素敵なお家。
一般的な住宅よりも少し小さな平屋。
建築設計の仕事をされており、自宅のデスクを作業場にして、ご夫婦で暮らしているとのこと。
海へ愛犬と散歩へ行き、釣りをする。
大漁ならば、近所の農家のかたと物々交換する。
素晴らしい暮らしです。
「家は大金を積んで手に入れるもの?」
「家はプロだけが作れるもの?」
マイホームの固定観念を持ってしまった自分をハッとさせる家と暮らしが、書籍では紹介されています。
建てた家の作業工程、全部が載っています
そんな素敵な家ですから、願わくば自分も建ててみたいな..と思いますよね。
この本のすごいところは、その家の建て方がきちんと全部、載っているのです。
家のプランを考え、自分が住みたい土地を探し、購入手続き。
土地の整地、基礎工事をし、外部工事をする。電気工事をし、排水管を仕込み、実際に家を骨格、外装、内装と完成させる。
実際的に、具体的に。すべての経緯が、この本に書いてあります。
ほとんど教科書的といってもいいくらい。
家を建てる6ヶ月間の時系列に沿って、工程をパート分けし、わかりやすく書いてあります。
- 工事の前に
- 1ヶ月目、基礎工事
- 2ヶ月目、建方から外部工事
- 3-4ヶ月目、内部工事
- 5ヶ月目、設備工事と仕上げ
- 6ヶ月目、完成+インテリアのDIYなど
セルフビルドに興味があるけれど、どんなことをするのか、全然わからないなぁ
と、考えていた私には、一通り、どんな作業が発生するのか見通せるので、非常に有益でした。
自分に建てられるのか?という疑問とともに
書籍を読むと、その工程の多さ(実に54個!)に、「自分にできるのかな…?」と不安がよぎります。
ページごとに知らない知識が増えていきます。
正直にいって、セルフビルドを実践しようと本気で思っていればいるほど、初心者のかたは、読む前より自信がなくなると思います笑
しかし、それとともに、家を建てる苦労、手間がよくわかるのがとても良い。
バックホーの名前も(レンタルできることも)、建築確認申請の壁量計算も、地縄張り、水張りも、何もかも知らなかった私には実際に必要なことがわかるのは大きな魅力でした。
1歩目としては読んでおいて良かったと思える本です。
ちなみに、著者ご本人は建築士のかたですが家を建てたことがないため、「家を建てることに関しては初心者と同等」だと書いてあります。
価格以上、素敵な家が自分で建てられる魅力
完成する建物が美しいし、写真と図解が多く、セルフビルドに詳しくなくてもなんとなく読み切れます。何より完成する家がとても美しく、著者のかた、ご本人の暮らしがとても満ち足りている様子が見てとれるのが魅力的です。
実践においては色々と大変な作業も多いセルフビルド。
しかしながら、予算的な意味でも、実現性の高さでも、家が完成したときの感動の質でも、素晴らしいものなのだな、そう思える一冊です。