小さい家は安くない。でも低コスト
小さい家に対して「安さ」を魅力に考える人も多いと思います。
でも単純に安いと決めつけてしまうのは考えもの
小さい家は思っているよりも安くないと考えた方が妥当かも
私たちも当初、「小さければ安く済むし、家も建てられるだろう」と思って小さい家を検討しだしましたが、その間違いにすぐ気づくことになりました。
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小さい家の建築費用は安くない
家は小さく建てても「そんなに安くならない」のが相場
小さい家を検討したことがある方なら、ウンウンとうなづける話かと思います。
例えば20坪以下の平屋を建てたいといって予算を聞くと、住宅メーカーや工務店の営業さんに、”大して安くならないですよ”と言われます
これは営業トークというよりも家づくりの実情に沿った話。
家づくりにかかる費用の大枠
- 人件費(各専門技術者)
- 材料費
- 機材費用(工事に必要なリース費)
- その他(保険・事務手数料など)
家を小さくすることで安くなるのは材料費の一部だけだからです。柱や外壁・屋根、床、窓の材料費が減るくらい。
家の費用として大きい”人件費”は、小さくしても、ほとんど下がりません
もちろん費用がまったく減らない訳ではないですが、私たちが聞いてまわった感じだと、一般的な広さの住宅から半分サイズにしても2割くらいしか安くならないイメージでした。
床面積で計算すると、かなり割高
例えば実際、私たちが小さい家の検討をしているときに、いくつか工務店さんなどを巡って相談し、出てきた「建物費用の相場観」がこれくらい。
- 20坪2階建て(延床面積132㎡)
・・・1㎡あたり23〜25万円くらい - 20坪平屋(延床面積66㎡)
・・・1㎡あたり30〜35万円くらい
※もちろん建物の素材や作りによって家の値段は大きく変わってきます。数字は比較例として参考までにご覧ください。
小さくしたのに、かなり割高!
平米あたりでみると5万円から場合によっては10万円くらい高くなります。なかなか良い値段の住宅です。
2階建てより平屋が高いケース
あと、例えば以下のようなケースでは2階建てより1階建てが高くなる場合があります。
- 同じ床面積で平屋 or 2階建て
- 鉄骨造や木造で建てる
- 外構工事にコストがかかる
2階建ての方が安いなんてありえるの!?
と思うかもしれませんが、ありえます。
材料によって建物の基礎の面積が広い方が、建物の階数が増えるよりも高くなったりします。
ポイント:基礎工事や外構工事費用は高い
建物の基礎は「鉄筋コンクリート」で造りますから、上物の木などに比べ費用が高くなります。なので10坪で2階建てよりも、20坪平屋(どちらも延床は20坪)の方が基礎工事の面積が広がる分、高くなることがあります。
2階で壁が4枚増えるより、平屋の基礎コンクリートが2倍になる方が高くつくってわけです
「トータルコスト」で考えれば小さい家は低コスト
ここまでの話を読むと、
小さい家って高いじゃん…
そう思う人が出てくると思います。
しかし上の話を踏まえても、私たちは小さい家が魅力的だと感じていますし、私たち以外にも小さい家を望む人は数多くいます。
ではなぜ小さい家が多くの人に魅力に思われているかというと、やっぱり「低コスト」だからです。
さっき高いって言うたやん
どういうことかというと…。
この視点でみると、やはり小さい家は低コストなのです。
トータルコストとは「全体」でみたコストのこと
どこまでをトータルにするかは人にもよりますが、小さい家を魅力に感じる人は、こんなところを踏まえています。
- 建物だけでなく家にかかる総費用
家具・家財、家電など。窓の数、トイレの数など - 建てる費用だけでなく、建ってからの費用
床の張替え、屋根・外壁の改修など、メンテナンス費。水道光熱費など - お金だけでなくかかる手間や時間
掃除の手間、室内移動の手間など
こういった諸々のことを踏まえると、やっぱり小さい家の方がコストが低いといえます。
わが家の場合、家が広いことにはそこまで魅力を感じませんでした
むしろ、日々の掃除や移動がラクになるコンパクトさに惹かれます
それと将来、年老いても愛着を持って取り回しできるサイズ感を理想としました
もちろん総費用をなるべく低くする意味でも小さい家は魅力です
私たちは自分たちの暮らしに、
といったテーマを掲げていますが、そういう意味でもトータルコストが下がる小さな家は理に適っているなぁ、と思えます。
家づくりのコストを下げるなら…
ちなみに家のコストを本当に下げたい場合、家のサイズを小さくするのは手段のひとつにしかなりません。
本気でコストを下げにいくなら…。
コストを下げるためのアレコレ
- 規格住宅にする
- 木造・軽量鉄骨造など造りから安くする
- 安い内外壁材を使う
- 照明の数を減らす
- 必要最低限の家のサイズにする
- フラットでシンプルな形の家にする
- 天井を低くする
- 郊外の安くて平らな土地を買う
…などなど、たくさんある選択肢をひとつずつ検討し、少しでも安く済むように手配するのが費用を下げるためのキモ。
関連マイホーム予算を500万円オーバー!住宅コストを削るにはどうしたらいいの?
家は高い買い物ですから、なるべくコストを下げたいと思うのが人情です。
しかし、安くすることによって暮らしの快適さが失われるリスクもあります
「安かろう悪かろう」という言葉がある通り、なんでも安くするのは危険です。自分たちに必要な部分には冷静にお金をかける意識を失わないよう、注意してくださいね。
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自分たちと釣り合うサイズが○
「小さい家」とひとくちに言っても、タイニーハウスのような小屋サイズから、20坪程度のコンパクトなお家までいろいろと考えられます。
また家のコストもかける方針の方が幸せな人もいますし、わが家のようにかけない方針の方が幸せな人もいます。
自分たちがどんな部分にお金やエネルギーを割きたいと思っているか、必ず整理しましょう
そうすると、自分たちの価値観にハマった、ステキな家に辿りつけるはずです
自分たちの価値観ときちんと照らし合わせて、その上で「小さい家」に魅力を感じたなら、ぜひ検討してみてくださいね。
小さなマイホーム、建てました
2020年に待望の小さな家を手に入れた私たち。
約5年にわたって土地探しから設計、施工と準備し、実際に経験を積みあげながら得た「小さな家づくりノウハウ」を、読みやすくnoteにまとめました。
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