ウッドデッキに杉材ってあり? 杉で作ると腐るらしいが……
ウッドデッキを作るとき、一般的におすすめされる木材は、ハードウッドと呼ばれる木材です。
例えば……
- ウリン
- イペ
- レッドシダー
などなど。
これらの木材は固くて腐りにくく、風雨にさらされる室外でも、長期間、耐久するといわれています。
一方、私がウッドデッキに選んだ木材は杉材です。
家や室内材としては一般的な杉ですが、あんまりウッドデッキにおすすめされる存在ではないように思います。
場合によってはウッドデッキに杉をつかったせいで、すぐに腐ってダメになってしまったなんて情報もちらほら……
しかし、国産が多く、値段感や手に入りやすさ、粘りよく加工しやすいなど、魅力もある杉材。
杉材に関する、私の見解を書いておきます。
※あくまでDIY趣味人である私の個人的な見解です。
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屋外で杉を使うケースは限られてくる
杉の特長はこんな感じ。
杉材の特長
- 国産材が豊富にあり、手に入れやすい
- 針葉樹でやわらかく粘りもあり加工がしやすい
- やわらかいといっても、ほどほどに耐久性がある
パッと見ると万能そうで、よさそう。
ですが、屋外でおよそウッドデッキに「杉」を選ぶケースはかぎられてくると思います。
やわらかいゆえに、素人DIYではけっこう腐るのです
杉はよく「年に1回、塗り直しをすれば長持ち」と言われます。
ですが、およそ日曜大工レベルのDIYで、塗り直し作業をきちんと実行できる人って、そうはいません。
悲しいかな。
よくて翌々年くらいまで、やれれば上出来です
結果的に長持ちしない木材と、考えたほうが早いでしょう。
- 個人的にはホワイトウッドレベル
- ホームセンターで安く買える木材に「ホワイトウッド」といわれるものがあります。屋外では耐久しないと言われており、ウッドデッキにおすすめされません。
個人的な体感でいえば、正直、杉もホワイトウッドと、どっこいどっこいなんじゃないかと思います。(ホワイトウッドだって、ある程度、耐久はする)
ウッドデッキに杉を選ぶケース
じゃあ杉材って、ぜんぜんダメじゃん
と考えるのがふつうですね。
でも私は実際、ウッドデッキの材料に杉材を使っています。
実はいくつか条件を満たしているときは、杉材でもよいケースがあります。
杉を選ぶケースはどういうときかというと、こういうとき。
- 初期費用を抑えたい
- DIY好きでメンテナンス作業が好き
- 杉の経年変化の風合いが好き
- 風通しが良く湿気がこもらない場所に設置する
半屋内で地面に土間が施工済
杉材はホームセンターでも買え、国産材も豊富。値段もほどほどで、木材素人でも手に入れやすいです。
また風化によって表面の色合いが、シルバーカラーに変色し、それが渋くて好みの人には相性がよいでしょう。
そして、最後の設置場所の条件、風通しが良く湿気がこもらない場所に設置することで、本来よりも長く杉をもたせることができます。
半屋内・土間スペースがおすすめ
基本的に屋外で雨晒しになる場所、地面が土で湿気があがってくる場所では、ウッドデッキの木材が早く消耗していきます。
(どんな木材であれ、そうです。)
そこで……
- 屋根をつけて半屋内にすることで、雨を当たりにくくする
- 地面をコンクリート土間にし、湿気やカビによる腐敗を抑える
こうすることで、杉でも比較的、耐久します。
もちろん保護塗料はやったほうがよいです。
木材が色落ちしてくるのは、「リグニン」と呼ばれる木材成分が、紫外線によって分解され、風雨に流されるせいだといわれています。
そのリグニンは木材の組成成分を補佐する役割でもあるので、なくなっていくと、わずかずつですが表面もポロポロと崩れていくことになります。
屋根と土間で、そのサイクルを遅らせることができるってことですね
とはいえ、やっぱり高耐久とはならない
風化のサイクルを遅らせれば、杉もある程度、耐久させることができます。
しかし、やはり元が元ですので、高耐久とはいえません。
風化以外にも地面からはさまざまなカビや菌が発生し、木を餌にして分解していってしまいます。
シロアリなど木を餌にする昆虫も屋外にはたくさんいます。
杉ウッドデッキの寿命は、古い感じが許せるか、多少、構造が不安定になってもいいかなど、ボロボロ具合に対する許容範囲でも、変わってくるといえます。
わが家のウッドデッキの3年目の状態
参考までにわが家のウッドデッキの現状を写真で紹介しておきます。
こちらが作った当初↓
とってもきれいな状態ですね。
この時は、まだ紫外線保護塗料を塗って、色合いがキープできるといいなぁ、とか甘く考えていました。
そして今。
2022年現在、作ってから3年目のデッキです。
すっかり色はシルバーカラーに。
残念ながら日当たりの悪い場所は、カビが生えてしまっています。
塗料の塗りが甘かった。
でも使う分にはまだ全然、壊れる気配はありません
やはり雨がよく当たってしまう、手前から早く色が変わり、風化していきました。
ただ通気はいい場所なので、木材が朽ちていく気配は見られません。
今は方針転換、ガンガン使えるだけ使って、ダメになったらまた作っちゃるという気でいます。
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で、結局、杉ウッドデッキは何年もつのよ?
リアルなことをいえば……、
シルバーカラー嫌いな人からすると、ここで終了となる。
毎年、サンダーで削って、ちゃんと塗り直しメンテしてれば起きません
そして……
風化を気にせず使い続けた場合。土の上に直施工だと、生物分解によって朽ちてくる可能性もあり。
だいたい、こんな感じの流れでしょう。
ちなみにボロッボロを気にしないタイプの人は、10年以上使えます
ウッドデッキではありませんが、私の実家の濡れ縁は、祖父の好み(面倒くさがり気質?)によって、たまに塗り替えしながら、もう30年以上も使ってます。
↑やはり土間コンクリート+屋根あり
ふつうに現役で使えます。
見た目ボロボロだけど。
私は沖縄住まいなのでが、沖縄の古い民家も杉材をつかっており、台風など激しい風雨にさらされながらも、やはりかなりの長期間、使われ続けている印象です。
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好みと耐久と予算と……総合的に検討して
まとめとして、ウッドデッキに杉を使わないほうがいい人をあげると、こんな感じ。
ウッドデッキに杉を使わないほうがいい
- 初期費用ではなくトータル費用を抑えたい
- 新品の風合いが好きでキープされてほしい
- メンテナンスや施工をする時間がない
- 何度も作り直さず、長く1個のデッキを使いたい
「ただただ節約したいから杉材で……」だと、せっかく施工しても作り直しの連続で、かえって悪い結果になってしまうかもしれません。
木材の好みと、何年使いたいかと、初期費用と……。
総合的に考えて、木材を選んでみて、もし杉がありだなと思った人は、ぜひ使ってみてくださいね。
※今回の記事は杉材を浸透性塗料で保護してウッドデッキを作るケースを想定しています。塗膜塗料の場合など、また耐久性も変わってきますので、あしからず。