「あとでやろう」が大変なワケ
忙しいとつい頭に浮かぶワード。
「あとでやろう」
これって本当に厄介です。
こういう言葉もある通り、色々なものを後回しにした結果、かえって今やるべきことも、うまくできなかったなんてことがあります。
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「あとでやろう」が大変なワケ
なぜあとでやろうが大変なのか。
(ふつうに考えたら、あと回しにしたんだから、今がラクになるはずなのに。)
それは人の脳はあと回しができず、頭のなかのメモリをとってしまうからなのです。
ワーキングメモリを使ってしまう
私たちの頭のなかの働きは、ざっくり、こんな風に分かれています。
※便宜上カンタンな区分けをしています。
- 記憶しておく
- 考えて決める(メモリ)
- 体を動かす
このなかの「考えて決める(メモリ)」のところ。
一時的に記憶をため、分析して、判断する。いわゆる私たちの理性を司るところで、「ワーキングメモリ(作業記憶)」と言います。
ここは非常にエネルギーを使う場所です。
「あとでやろう」と考えると、このワーキングメモリの容量を使ってしまいます。
「チャンク」を超えると頭が重くなる
人間の頭は一時的に覚えておける情報の数が限られています。
その数のことを「チャンク」と言います。
5個から多くて9個くらい。
これが私たちが一度に扱える情報の限度と言われています。
意外と少ないんですよね。
例えば、スーパーであらかじめ決められた食料品の買いものするのも、記憶だけを頼りに買うとなると、最大で5〜9個しか買えないことになります。
同時に扱う情報数が多いほど、考えることにエネルギーが必要となります。
人はチャンクを超えた情報数を同時に考えると、思考が遅く、悪くなっていきます。ヌケモレが増えたり、やる気の減退につながります。
あとでやろうは「やろう」だけが残る
あとでやろうは「やらない」とは大きく違います。
→ やろう
→ やるなら頭のなかで準備しておこう
こうなってしまうのです。
「やらない」は頭の中では忘れる対象になりますが、「あとでやろう」は私たちの頭のなかでは、あとで、が抜けて「やろう」と解釈されます。
(どうせ後でやるなら、準備しなきゃと頭が勝手にアレコレとシミュレーションをしてしまう。)
やってない状況にプチストレスが
あとでやろうと考えても頭のなかでは「やろう」と解釈される。
するとまだやってない状況に、プチストレスを感じます。
しかし忙しくて3日経ってもやってない。
テレビ台の前を通るたびに汚れが気になってストレス。
「やる」と考えたことには、関心が集まって、頭のなかで「やろう!」と自分を刺激するので、やれない現状に小さな違和感やストレスが生まれやすくなります。
以上のことをまとめるとこれ。
「あとでやろう」が大変なワケ
- ワーキングメモリに負担がかかる
- 貴重なチャンクを圧迫する
- 「あとで」が抜けて「やろう」になる
- やれてない現状にプチストレス
つまり、あとでやるはずのものが、頭の中でグルグル思考されてしまい、今、やるべきことの邪魔をしてしまう。結果、頭がぼんやりしてしまうんですね。
なるほど、これは確かに「あとでやろうは、ばかやろう」と言われるワケですね。
「あとでやろう」の減らし方は3つ
日常、忙しくて「あとでやろう」と考えるシーンは多いかと思います。
あとでやろうを減らす方法は3つ。
あとでやろうを減らす方法
- 今、やる
すぐやれるものは、やってしまう。完了するので頭のなかに残らない - やらない
やらなくても大きく困らないものごとは思い切って「やらない」と考えて忘れる - メモに書いておく
頭に残すのではなく、スマホのカレンダーなどに通知入りでメモし、自分の頭には残さない
上の行動を習慣にすることによって、「あとでやろう」はほとんどゼロに減らせます。
叶うなら「メモに書いておく」もなるべく減らせると、やるかやらないかでバッサリ整理でき、頭のなかが非常に明快になります。
人間、ワーキングメモリが圧迫された状態が続くと、疲れてイライラしたり、反対に何もやる気が起きなくなったりします。
うまく情報を整理して、頭のなかもすっきりさせて暮らせると良いですね。
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